名古屋駅前の弁護士・片山木歩BLOG

名古屋駅の弁護士片山木歩(愛知県弁護士会所属)のブログ。東大法学部卒・元NHK記者の弁護士が、日常について気の向くままに書いてます。 名古屋駅の弁護士・片山総合法律事務所。

サカナクション山口一郎さんのホールツアー「懐かしい月は新しい月 "蜃気楼"」名古屋公演に行ってきました!

山口一郎「懐かしい月は新しい月 "蜃気楼"」3

 

先日、サカナクション山口一郎さんのライブホールツアー「懐かしい月は新しい月 "蜃気楼"(通称、「蜃気楼ツアー」)」の名古屋公演に行ってきました。

 

今回の山口一郎さんのホールツアーは、特別なツアーです。

 

サカナクションは、昨年、全国のホールツアーを予定していました。

ところが、ボーカルの山口一郎さんが、メンタルの不調になってしまい、ツアーは中止に。

「燃え尽き症候群」。

一郎さんから発表されたその病名に衝撃を受けました。

 

2020年からのコロナ禍。

ライブを含めたエンタメ業界は、「感染拡大の悪玉」のように扱われました。

そんな中、一郎さんは、連日のように、インスタライブを届けてくれました。

楽曲の弾き語りだけではなく、過去のアルバムの全曲解説や、過去のライブ映像を見ながらの解説など、「コロナ禍だからこそできること」を次々と。

 

それだけではありません。

「深夜対談」と題して、様々な業界の方とリモートでつないで対談をしたり、一般の方と直接話をされてきました。

配信の時間は深夜から早朝に及ぶこともあり、「お体、大丈夫かな」と思うことも多々ありました。

 

「エンタメ業界の火を消さない」。

チームサカナクションの代表としても、一郎さんは、コロナ禍当初から、様々な取り組みをしてくれました。

毎週末、サカナクションの過去のライブ映像を、YouTubeで無料配信。

外出もままならない緊急事態宣言下の週末。

サカナクションのファンがライブ配信に集まり、チャットで語り合ったのは、コロナ禍の忘れられない思い出の一つです。

 

また、一郎さんは、コロナ禍であることを逆手にとって、新たな取り組みも始めてくれました。

「SAKANAQUARIUM光ONLINE」では、ただライブを生配信するのではなく、演出も全て配信用に組んで、「配信ならではのライブ」という新たなカテゴリーを作り出しました。

 

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2021年には、コロナ禍明けのサカナクション活動再開に向けて、「NF OFFLINE」を全国で開催。

1席空け、マスク着用、声出し禁止、着席観覧というコロナ禍ならではの形態ながらも、生の歌声を全国で届けてくれました。

 

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この時、私が行ったのは、ツアー初日。

他のアーティストも含めて1年以上ぶりのライブだったので、はっきりと覚えています。Zepp Nagoyaのステージに、「チャオ!」と言って、一郎さんが登場した時には、感動で鳥肌が止まりませんでした。

 

一郎さんは、さらに頑張ります。

2021年秋には、オンラインライブ第2弾の「SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE」。

光ONLINEからさらに進化したオンラインライブを行い、そこから、サカナクションは、全国アリーナツアーへ。

ツアー初日となった愛知公演での一郎さんの涙は伝説となりました。

 

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明けて2022年。

全国アリーナツアーを大成功で終わらせたサカナクションは、3月にニューアルバム「アダプト」を発表。

この間も、一郎さんは、SNSで頻繁に配信などを行い、めちゃくちゃ精力的に活動されていました。

そして、5月にはメジャーデビュー15周年記念の配信ライブを3夜連続で行い、全国ホールツアーをスタートさせるはずでした。

ちょうどこの頃。

15周年ライブの時の一郎さんが、いつも以上にピリピリされていた印象を受けました。

もちろん真剣に作品作り、ライブ作りに臨まれている一郎さんなので、真剣なのは全然悪いことではありません。

でも、なんかちょっと違う感じの違和感、悪い予感があったんですよね。

そして、一郎さんの休養発表。

 

全国ホールツアーは中止となってしまいました。

私は遠征も含めて何度も行く予定だったので、とてもショックを受けました。

でも、そんなことはどうでもいいんです。

コロナ禍の間、突っ走り続けてきた一郎さんにとにかくゆっくり休んで欲しい。

そんな思いだけでした。

 

この日のライブのMCでも一郎さんがお話になられていました。

宅配で届いた食事を玄関まで取りに行けないほど、本当に大変な状態だったそうです。

でも、こんな時、ただのサカナクションファンは無力なんですよね。

コロナ禍の間、あれだけ精神的に助けられてきたのに、ただただ回復を祈るだけで。何もできないもどかしさ。

そんな日々が続きました。

 

2022年暮れぐらいから、徐々に一郎さんは活動を再開。

ラジオ番組やYouTube配信などで姿を拝見したり、声を聴いたりできるようになりました。

でもライブの再開にはまだまだ高いハードルが。

一郎さんは、そんな中、YouTubeで、過去のアルバムを曲順通りに歌ったりされてきました。

そして、サカナクション完全復活に向け、一郎さん曰く「リハビリツアー」として行われているのが、今回の一郎さん単独での全国ホールツアーなのです。

 

ツアーは10月の小樽公演からスタート。

全国10都市での開催で、名古屋は8公演目でした。

 

名古屋センチュリーホール2

 

会場は、名古屋国際会議場センチュリーホール。

私の大好きなホールでの開催です。

センチュリーホールで歌う一郎さんを見るのは、2017年のデビュー10周年ツアー以来。

ずっとこの日を待ちづけていました。

 

開演前。着席されたお客さんからは、緊張感が感じられました。

一郎さんの久々のライブ。私もめちゃくちゃ緊張して開演を待ちました。

センチュリーホールの名物の一つ、昔ながらの開演お知らせブザーが鳴り、いよいよ開演です。

まだまだツアーは続きますし、最終日は配信も行われるので、セトリなどのネタバレは避けたいところです。

ただ、この後は私の感想をそのまま書いているので、これからツアーに行かれる方やネタバレなしでの配信を楽しみにされている方は、ここで離脱してください!

 

山口一郎「懐かしい月は新しい月 "蜃気楼"」名古屋

 

開演して、ステージの下手から、一郎さんが登場。

もうそこに一郎さんが無事に名古屋に来てくれた、ステージに来てくれたというだけで、感動。

そして1曲目。歌い出しのワンフレーズだけで、心が大きく揺さぶられます。

今回のライブは、9月に発売したアルバム「懐かしい月は新しい月 Vol. 2~Rearrange & Remix works~」の楽曲が中心。過去にサカナクションがリリースした楽曲を、一郎さん以外のサカナクションのメンバーやアーティストさん、DJさんなどがリアレンジ・リミックスした楽曲を、一郎さんが一人で歌います。

サカナクションのライブと言えば、チームサカナクションのみなさんが作り出す、最高の音と光の空間。

この日も、とっても素敵な音を届けてくれました。特に、重低音が凄かった。音圧でひざ下が震えたのは、センチュリーでは初めての体験。

ライティングもとても美しかったです。特に、第1部の世界観にとってもあっていました。

そして、一郎さん、リハビリどころか、さらに進化しています。

楽曲に魂が乗っていて、歌詞の届き方が以前よりも強く、さらにダイレクトに心に刺さりました。

アーティストとしての表現力・伝播力が、さらに増して、確実にパワーアップしています。

療養中、療養後に、そんな進化を遂げてしまう一郎さん、本当に尊敬します。

 

ライブは2部構成。間に10分の休憩が挟まって、1部と2部に分かれます。

1部はノーMCで進みます。一郎さんの力強く伸びやかな歌声に、田中監督演出の映像が世界観をより強く伝えてくれます。

第2部での弾き語りも、本当に本当に良かった。

「弾き語り」というスタイルだからこそ出せる曲の魅力を存分に届けてくれました。

サカナクションファンにはすっかりおなじみのレコーディングエンジニア浦本さんとのほっこりトークも良かったです!

 

それにしても、1部、2部通して、一郎さんがステージ上で歌う姿は、格好良いを通り越して、もはや神々しくもありました。

曲の途中で工藤静香さんの歌の振りを入れたりとおふざけも楽しそう。

この日は咳喘息ということで(光ツアー名古屋公演の時もそうでしたね)、また心配もしてしまいましたが、戻ってきてくれて本当にありがとうございます!

 

そして、一郎さんと言えば、やっぱり中日ドラゴンズ。ドラゴンズファンの芸能人として全国的にも有名ですよね。

そんな一郎さんが、1部でも、ドラゴンズ愛に満ちた歌詞に変えて楽曲を披露してくれました。

名古屋公演では、ちゃんとドラゴンズコーナーもあります。

一郎さんが、ドラゴンズのビジター用ユニフォームに身を包み、ドアラポーチを付けた状態で、1曲だけスタンディングで思いっきり盛り上がった曲のことは、たぶんこれからも忘れないと思います。

 

この日のライブのMC。

一郎さんが、「毎回、この日が最後のライブになるかもしれないという覚悟で、ライブに臨んでいる」とおっしゃられていたのが、とても印象的でした。だからこそ、歌詞がより心に響いてきたのでしょうね。その距離感が保たれるホールの規模感がとても心地良かった。

 

ライブ締め前のMC。

一郎さんは、「また新しいサカナクションになって、5人の完全体で、名古屋に戻ってきます」、と力強くおっしゃられていました。

一番大変な時から、ここまで、本当に大変だったと思います。

深海魚民としては、もうこの日のライブを迎えただけでも大感激です。

だからこそ、サカナクションとして戻った後も、くれぐれも無理してほしくないと思っています。

一郎さんはサービス精神が旺盛すぎるので、本編2時間、アンコール込みで2時間半くらいの尺でライブやること多いのですが、できれば無理してほしくない。

最初は、1時間ほどのフェス尺くらいのライブでも全然大丈夫です。

5人がそろってステージに立ってくれれば、それだけで満足です。

 

そんな最後のMCからラストの曲の間、涙が止まりません。もう大号泣です。

周りのお客さんも泣いていました。

本当に感動的な、素晴らしいライブでした。

 

 

この日は、ライブが終わった後も、なんとなく帰りたくなく。

センチュリーホールの建物をぼんやり眺めて、余韻に浸っていました。

 

名古屋センチュリーホール

 

山口一郎さんの「懐かしい月は新しい月 "蜃気楼"」。

年内は京都で公演があり、最終日となる来年1月14日の東京ガーデンシアターの公演は、ストリーミングで配信されます。

この日はツアーファイナル。サプライズもあるそうです。

 

コロナ禍からの山口一郎さんの頑張りと燃え尽きというストーリーを踏まえると、この日のライブ配信も、より特別なものとして見ることができると思います。

 

私もアーカイブも利用して、何度も何度も見る予定にしています。

詳しくは、特設サイトをご覧ください。

 

sakanaction.jp

 

 

そんな感じです。

 

ではまたです。

 

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