この前の日曜日は、元中日ドラゴンズ監督の落合博満さんの講演会に行ってきました。
落合さん、選手時代から大好きなんですよね。
当時は、今の時代とは違って、「多様性」の概念すら無い時代。
そんな昭和時代に、「オレ流」を貫き、結果を残し続ける落合さんがとにかく格好良かった。
そんな落合さんの格好良さに、私は中学生くらいの頃からあこがれ続けました。
ちなみに、大学受験の頃の私のバイブルとなっていたのが、落合さんの著書。学校のやり方を完全に無視して、独自の戦略を立てて勉強に取り組んでいました。その意味では、落合さんの存在は、私の人生に欠かせないものだったのでしょうね。
今回の講演会の会場は、センチュリーホール。
この日は、台風の影響で順延となったドラゴンズの最終戦の日。それでも、私のような「落合信者」のお客さんがたくさんいらっしゃっていました。
講演会では、最初に落合さんがお一人でご登場されて、今シーズンのプロ野球の総括などをお話されました。私は、メモを取りながら落合さんの貴重なお話を楽しみました。記者時代に戻ったかのような、なんだか懐かしいとても幸せな時間でした。
以下、印象的だった内容を簡単にご紹介します。
・セリーグは団子状態だと思っていたけど、ヤクルトと中日がここまで離されてしまったのは、チーム編成の失敗。「守り中心」が失敗をしない戦い方なので、ドラフトではピッチャーを多めにとっていくべき。
・自分がドラゴンズの監督をやっていたら、ピッチャーを毎年補強していく。ピッチャーは、ケガをすることが多く、一度大きなケガをすると、1シーズン、2シーズン投げられないこともある。だからこそピッチャーの補強が必要。
・チーム作りの上では、守備力を鍛え上げることが大事。自分が監督をしていた時、「もうこれ以上練習するな」というくらい荒木は練習をしていた。今のドラゴンズで、当時の荒木ほど練習している選手がいるのか。
・負けているチームは、勝っているチーム以上に練習しないといけない。でも「練習しろ」と言ったり、コーチに強制させて練習させてはいけない。選手たちが「自分で考えて、自分から進んで練習する」状態に持っていくことが大事。
・パリーグでは、2位の日ハム。新庄監督の手腕がお見事。戦力が十分なわけでもないのに、監督の考えている野球を選手がきちんと実践している。2者続けてのスクイズなんて、とても勇気がいること。なのに、選手がいとも簡単に成功させたのには驚いた。
以上のような感じでした。
それから、ドラゴンズの立浪監督についても触れてました。
「3年間、彼は彼なりに頑張った。優勝するチームもあれば、最下位のチームもあるので、最下位だからと叩くのは良くない。ただ、次にやることがあれば、野球を勉強して、勝つチーム作りに取り組んでもらいたい」とのことでした。
奇しくもこの日はドラゴンズ2024年シーズン最終戦。また強いドラゴンズを見たいですよね!
後半は、ゲストも交えてのトークコーナーです。
そして、この日のゲスト、めちゃくちゃ豪華でした。
落合監督時代のヘッドコーチの森繁和さん、元ドラゴンズの岩瀬仁紀さん、福留孝介さん、川上憲伸さん、荒木雅博さん。もう凄いメンバーです。
森さんは講演会慣れが素晴らしい!後半のトークコーナーの司会進行役的な感じで、テンポよく話を振るのが良かったです。
福留さんは選手時代の印象そのままで、寡黙な感じ。落合さんから「どうしてアメリカ行ったんだ?」とメジャーに言った理由を問われた時の答え、本音ベースの話をもう少し聞きたかったです!
荒木さんは一番現場に近い感じでした。「指導者として選手にどうやってやる気を出させるか」を落合さんに質問して真剣に聞いていて、本当に現場に近い人なんだなと実感。
そして、川上さんと岩瀬さんのコンビがとにかく面白かった!野球漫談のコンビ芸がもう完成の域に近づいていて、会場をめちゃくちゃ沸かせていました。
以上の豪華メンバーが繰り広げるドラゴンズ黄金時代の思い出話がまた面白い!ここでは書けないような話も盛りだくさんで、楽しい日曜日の午後を過ごすことができました!
ちなみに同時刻にナゴヤドームでは、ドラゴンズ戦が行われていましたが、解説者の候補がずらりとこちらの会場に集結していました。川上さんと岩瀬さんは、この講演会の予定が入っていたので、解説を断ったとお話になられていました。これだけ大物OBが終結してしまうと、テレビ局もラジオ局も解説者探しに苦労したのではないでしょうか。
質疑応答のコーナーでは、根尾選手の今後についてのやりとりが印象的でした。
岩瀬さんが「根尾選手は身体能力が非常に高いので、何をやらしても出来てしまうのが、逆に仇になってしまっている」と指摘すると、川上さんが「良いところまで来ている。あとは自分の武器を。」と答え、岩瀬さんが「まっすぐなのか、変化球なのか、コントロールなのか、力で抑えるのか、自分のタイプを出すのが大事」と回答。
さっきまで野球「漫談」をしていたコンビとは思えないお二人の真面目な答えがとても良かったです。
落合さんは、根尾選手のことを、「プロに入る時から外野手が良いと思っている」とのことで、その理由について、短い距離を投げるショートスローに難があると指摘していました。ピッチャーをやっていても、突然制球が乱れることがあるのも、落合さんが指摘された点に原因があるのかもしれませんね。バッティングについては「手を使うことを覚えないと」とご指摘されていましたが、去年までコーチをされていた荒木さんが「その点はだいぶ改善されて、良くなってきました」とお答えされていて、希望の光が見えると良いですよね。根尾選手の活躍は、ドラゴンズファンみんなの願いですので、来年こそは良い方向に進んで欲しいです!
また、「落合さんに監督になって欲しい」という会場からの質問・要望に対して、落合さんは、「100%再登板はありません。以上。」というつれない答え。以前は、「オファーがあれば考えます」とおっしゃっていたので、時の経過、状況の変化を痛感し、少し寂しい感じがしました。
落合さんの講演会は来年も開催予定とのこと。落合さんはYouTubeもなさっていますが、生けるレジェンドの講演を生で聴ける機会は本当に貴重。来年以降もぜひ足を運びたいと思いました。
そんな感じです。
ではまたです。